アイム・オールド・ファッション/渡辺 貞夫
「世界のナベアツ」じゃなくて「世界のナベサダ」だよ。
1976年にNYで録音された。
ウイズ・ザ・グレート・ジャズ・トリオとあるように、
ハンク・ジョーンズ(p)ロン・カーター(b)トニー・ウイリアムス(ds)と共演している。
彼の作品は数多いが、一番売れたのはこのアルバムの2年後の録音、「
カリフォルニア・シャワー」だろう。
デイブ・グルーシン、リー・リトナーなどと、共演したこのアルバムはテレビCMでも流され、いままで、ジャズを聴かなかった人たちをも、魅了した。
一部の評論家は「ナベサダもポップ路線になった」などと批評していたが、「ジャズは楽しく演ればいい」という彼の哲学は、ジャズの大衆化に大きく貢献した。
サンタナとのコンサートでも楽しんで演ってるよね。
いろいろと表彰されたり、ナントカ褒章なんてもらってるのは貞夫さんぐらいじゃないの。
さて、このアルバムは録音は先だったが、発売は「カリフォルニア・シャワー」のあとになってしまった。
同じメンバーで1977年にも「
バード・オブ・パラダイス」を録音しているが、ともに一部の批評家をうならせる出来具合だ。
のびのびと、ストレートなジャズを演奏しているし、これだけのメンバーと共演してもひけをとらない。
「バード・オブ・パラダイス」はバードと名がつくようにチャーリー・パーカーのナンバーを全編演奏している。
これも「
アイム・オールド・ファッション」とはいうものの、ちっとも古くはないよ。今でもジャズの熱気が感じられる一枚だ。
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