世界遺産でもある、ポーランドのアウシュビッツ収容所が長年の劣化により、崩壊の危機に直面している。
という新聞記事を読んで、20年ほど前に旅行した、ダッハウを思い出した。
ダッハウはドイツ、ミュンヘン郊外にあり、あのナチスのユダヤ人強制収容所があったところだ。
ミュンヘン駅から、Sバーン(地下鉄)とバスを乗り継いで、たずねてみた。
広い!とにかく広い。日本じゃ考えられないくらい、当時のままを残している。
(日本じゃ、さしずめ門柱だけのこして、あとは慰霊碑でも建ててお茶を濁すんだろなぁ)
ダッハウ強制収容所跡
中は自由に見学することができ、ユダヤ人たちが収容されていた部屋には粗末な木のベッドが並んでいた。
そこから別棟にあるのが、あのシャワー室。窓もなくいまにもガスが噴出してきそうな、息苦しい空間だ。
ひんやりとした部屋は重苦しい気配が充満している。(ユダヤ人の怨念か)
ガス室です
ガス室のとなりには、効率よく遺体を処理する火葬の窯(?)があり、そのままで保存されている。
ここでまいにち死体を焼いていたんだな。
となりの部屋には死者の毛髪と靴が山積みされていた。おいさんもおもわず合掌。
戦争の悲惨さを目の当たりに見た、おいさんだった。
窯の跡
「ノーモア、ヒロシマ」「リメンバー、パールハーバー」「南京大虐殺」など、
被害者としての声はよく聞かれるけれど、自らを加害者として、20世紀最大の戦争犯罪を、
負の遺産として後世に残しているのはドイツだけなんだろうか。
ちなみに、ドイツの世界遺産リストの中には、ダッハウの名はない。
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