ビッチェズ・ブリュー/マイルス・デイビスJAZZとROCK。
それぞれの音楽が目指すものにはいろんな方向があると思うが、決定的な違いはなんだろうか。
JAZZとROCKの接点として、フュージョンやクロス・オーバーなる音楽も登場したが、本質的にはJAZZはプレーヤーのインプロビゼーションによって左右される音楽だ。
JAZZはアメーバのように広がり、いろんなものをのみこんで増殖する。
マイルスの
ビッチェズ・ブリューは事あるごとに話題となったアルバムだが、電子楽器を使用しエイト・ビートで演奏しても、マイルスの本質は変わらない。
コンサートでも観客に背をむけて、プレーヤーのその瞬間の音に気をくばりながら、自己の音楽世界を構築する。
使用する楽器がエレクトロニクスなものであり、リズムが違うだけだ。
常に増殖する音楽を展開することがマイルスのいやJAZZの宿命であろう。
フィルモアの奇蹟ROCKはその過渡期において実験的な試みが行われた。
そのころだまだ珍しかったジャム・セッションを
アル・クーパーがサンフランシスコのフィルモアで
マイク・ブルームフィールドや
サンタナらと行った。
お互いをぶつけあうJAZZのライブにも似た演奏には、若き彼らの情熱が感じられる。
ROCKの歴史に残るアルバムと言えよう。
クリームもライブではインプロビゼーションを展開していった。
その後機材の大型化とともにロック・バンドも巨大化し、商業的成功を目指していくのである。
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