クルーエル・シスター/ペンタングルトラディショナル・フォーク・ソングを新しい感覚で演奏する、
ペンタングル。
トラッドには長く民衆のなかに生きた、素朴な暖かさと土臭さがあるが、それをペンタングルはクールで洗練されたものに創造している。
アルバム・タイトルの「
クルーエル・シスター」は、イギリス、アイルランド、スコットランドの各地に伝わる物語歌(バラッド)である。
一般には「ふたりの姉妹」で知られており、ふたりの姉妹のうち一人が騎士と恋に落ちるが、一方がもう一方を海に突き落としてしまう。
通りかかった吟遊詩人が、死んだ娘の骨と髪でハープをつくり、それを奏でると悲しい響きがする。
やがて姉妹の父親の屋敷に吟遊詩人が着くと、ハープはひとりでに悲しい曲を奏でる、という内容の歌だ。
トラディショナル・フォーク・ソングはアメリカのフォーク・ソングに比べ、使用する楽器にもよるのだろうが、どことなく悲しげで重い。
これも中世からの伝統がベースになっているからだろうか。
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