初めてこのレコードを聞いたとき、他人のカバーばかりだったが、あまりのすごさにびっくりしたものだ。
そのバンドはヴァニラ・ファッジ
ヴァニラ・ファッジビートルズの「
涙の乗車券」、「
エリナー・リグビー」、ゾンビーズの「
シーズ・ノット・ゼア」などカバーしているが、
圧巻なのはシュプリームスの「
ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン」。
原曲のかけらもないほどアレンジしている。
プログレッシブ・ロックなんてものが出てくる前の演奏だ。
アート・ロックなんて呼ばれていたっけ。
彼ら自身のオリジナリティーで勝負しているのだ。
ベースのティム・ボガートとドラムのカーマイン・アピスがジェフ・ベックと
ベック・ボガート&アピスに参加したことは有名な話。
ほかにもカバーといえば、
デラニー&ボニーの「グルーピー」をカバーしたカーペンターズ。
「
スーパー・スター」と名前を変え世界的大ヒットとなった。
フリートウッド・マックの「
ブラック・マジック・ウーマン」をサンタナがヒットさせたり、
ジョン・レノンは往年のロックン・ロールをすっかり自分の音楽に仕立て上げた。
「
スタンド・バイ・ミー」なんて泣けてくるぜ。
ロックン・ロール/ジョン・レノン日本の音楽界でもカバーはある。
しかし全然お話にならない。
アイデアに行き詰ったアーティストの話題作りの域をでていない。
あくまでも借り物の領域を出ていないところにJ-POPはある。
だから、おいさんはこのオリジナリティーのない音楽には興味はない。
日本でおいさんの興味をひきたてる音楽は、
津軽三味線と沖縄の三線だけだ。
PR