(その10からのつづき)
目が覚めたときはすっかり昼近くになっていた。
このところ規則正しい生活とは無縁になってしまっていた。
何時だろうが眠たきゃ寝る、自由な生活を満喫していた。
「今日は結果が来てもいいんだけどなぁ」
昨日郵便を心待ちにしていたが、ポストには何も入っていなかった。
テレビをみて気をまぎらわしてはみるが落ち着かない。
外でバイクの音がした。
「郵便だ!」
バイクが遠ざかるのを確認してポストへ走った。
来ている!
急いで部屋へ戻り、はさみで封を切る。
履歴書らしきものが見える。 いやな予感。
予感は的中した。
「このたびは当社にご応募いただき真にありがとうございました。厳正に審査いたしましたが、今回はまことに残念ながら・・・・」
あとは読まなくても送り返された履歴書で十分理解できた。
要するにダメだったということだ。
つぎに求人誌が発行されるのは金曜の朝だからまだ3日もある。
これで1週間以上も無駄な日を送ってしまった。
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